ものがたり (その4)
そこへ、町に出かけていたお爺さん達が、帰って来ました。

「さあ、瓜子姫。 お嫁入りの着物を着なさい。 お迎えの籠が待っていますよ。」

天邪鬼(アマノジャク)が化けた瓜子姫は、喜ぶ振りをします。

「まあ、きれい。 嬉しいわ。」


天邪鬼は着物を着て、籠に乗りました。

やがて、籠は道が二つに分かれている所に来ました。

『左の道へ行くと、瓜子姫を吊るした木の前を通るぞ。

どうしても右へ行かなくちゃ。』

天邪鬼は右の道へ行く様に頼もうとしました。
ところが、いつも逆のことを言う天邪鬼は、つい反対に「左の道を通って下さい。」と言ってしまいました。

左の道に行くと、瓜子姫が木に吊るされて、泣いています。

「おや、あそこにも瓜子姫がいるぞ。 これはどうしたことだ。」

お爺さんはびっくりしました。
木に吊るされた本物の瓜子姫が叫びます。

「私は、天邪鬼に木に吊るされたの。 そこにいるのは、私に化けた天邪鬼よ。」

「しまった ! ばれちゃったか。」

天邪鬼は、慌てて籠から逃げ出しました。

お爺さんは、かんかんです。
「こらっ、悪い天邪鬼め ! 」

「わーん、ごめんなさーい。」

天邪鬼は、懲らしめられて、泣きながら逃げて行きました。

現在でも、人の言うことにわざと反対する人のことを 『天邪鬼』 と言いますね。
・・・・・完

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