ものがたり (その2)
「素敵な赤い靴をはけば、もっと幸せになれるわ。」

カーレンはおばあさんにおねだりして、きれいな赤

い靴を買ってもらいました。

カーレンは嬉しくてたまりません。
教会に出かける日。

カーレンはいけないことだと思いながら、その赤い

靴をはいて行きました。

目の悪いおばあさんは気が付きません。
教会で、カーレンは赤い靴ばかり眺めていました。

「赤い靴に良く似合うきれいな洋服が欲しいわ。」

神様の話をする牧師さんの声も聞こえません。
カーレンが赤い靴をはいていたことを聞いて、おば

あさんは叱りました。

「お前は牧師さんのお話を聞いていなかったでしょう。」

「ごめんなさい。もう教会にははいていきません。」
でも、カーレンはこっそり赤い靴をはいて、教会へ

行きました。

すると、教会の前で兵隊さんが言いました。

「きれいな靴よ、ダンスをするときは足から離れる

なよ。」
「ダンスだなんて。 おかしな兵隊さんね。」

でもカーレンは牧師さんのお祈りの間、ダンスの

ことばかり考えていました。

「赤い靴でダンスをしたら、どんなに楽しいかし

ら・・・。」

・・・・・次号 (その3)へ続く
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