世界の名作 「赤い靴」
ものがたり
あるところに、「カーレン」という女の子が病気の

お母さんと暮らしていました。

とても貧しかったので、お母さんの薬を買うことも

出来ません。

カーレンはいつも裸足でした。
病気がひどくなって、とうとうお母さんは死んでしま

いました。

裸足で泣いているカーレンを可哀想に思った靴屋

のおばさんが、赤い布で靴を作ってくれました。

「まあ、きれいな靴。」
お母さんのお葬式の日。

赤い靴をはいたカーレンに、皆はひそひそ・・・。

「悲しい日に赤い靴をはくなんて、良くないよ。」

「靴が一足しかないんだよ。  なんて可哀想な子

だろう。」
話を聞いたお金持ちのおばあさんは、カーレンを

可哀想に思って、引き取ることにしました。

「この赤い靴が、幸せを運んで来たんだわ。」

カーレンは喜びました。
おばあさんは、カーレンを大切に育てました。

「もう、これはいらないわね。」

おばあさんは古びた赤い靴を捨ててしまいました

が、カーレンは平気です。

代わりの靴を買ってもらえるのですから。
ある日、町に出かけたカーレンは、馬車から降りて

来た王女様のきれいな赤い靴を見て、うっとり・・・。

「なんて素敵なの ! 私もあんな靴が欲しいわ。」
・・・・・次号 (その2)へ続く
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