ものがたり (その2)
ずぶぬれのままミーシャは野原へ急ぎました。

そこには薬になる草が生えています。

ところが野原に着いた時、犬が跳びかかって来たのです。

草は踏み潰されてしまいました。すると傷だらけの

ミーシャの前に、女神様が現われました。


「女神様 ! 私を人間にして下さい。 あの人を助けたいんです。」

「では人間にしてあげましょう。 薬もあげます。

でも お料理やお掃除もするんですよ。」

「はい。 女神様ありがとう ! 」

気が付くと、ミーシャは綺麗な娘になっていました。
直ぐにミーシャは若者の家に行きました。

「レストランの人に風邪をひいたと聞いたので、

お薬を持ってきました。」

「ありがとう。 どこかでお会いした様な気がするの

ですが・・・。 ピアノを聞いて下さっていたんですね。」
ミーシャは毎日、お見舞いに行きました。

二、三日すると、若者はすっかり元気になりました。

ミーシャは嬉しくて踊り始めます。

若者は笑いながら、ミーシャを優しく抱きしめました。

若者もミーシャを好きになっていたのです。
しばらくして二人は結婚しました。

ところがミーシャは猫の時と同じ様に、お昼近くまで

ベットから起きようともしません。

「僕の朝ご飯は ? 」

「うーん・・・、まだ眠いわ。」

若者は何も食べずに仕事に出掛けて行きました。
一人になるとミーシャは女神様との約束を思い出しました。

「そうだ。 お料理をしなきゃいけないのね。」

ミーシャは町に買い物に出かけました。

お店の人はニコニコしながら品物を出します。

「まあ、買い物って楽しいわ ! 」
・・・・・次号 (その3) へ続く
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