パール姫が寝室に向かうと、ひき蛙もペタン ペタンとついて行きます。 パール姫が寝巻きに着替えてベッドに入ると、 「キャーッ ! 」 と叫びました。 ひき蛙が仰向けになってベッドに寝ています。 カエルは目をあけるとピョーンとパール姫に飛びつきました。 「姫、お休みのキスを・・・。」 |
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「やめて ! お休みのキスなんて約束した覚えはありません。」 とうとうパール姫も腹を立てしまいます。 「キャーッ 気持ちが悪いっ ! 」 思わず近づいて来たカエルを掴むと床に投げつけました。 『ギエーッ ! 』ひき蛙は頭を打って引っ繰り返ってしまいました。 引っ繰り返ったカエルはピクリとも動きません。 |
「まぁ ! ごめんなさい ! 」 駆け寄って抱き上げますがカエルはぐったりしたままです。 「カエルさん、ごめんなさい。 死なないで生き返ってちょうだい・・・。」 パール姫の目からあふれ出た涙がカエルに落ちたその瞬間、周りが光り輝きカエルから煙が立ち上りました。 「まあっ ! あなたは・・・。」 |
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パール姫の前には、なんと夢の中に現れた素敵な王様が立っているではありませんか。 王様はパール姫の手をととると言いました。 「パール姫、私は貴女の夢の中に出て来た隣りの国の王です。 悪い魔女の魔法で、ひき蛙にされていました。 貴女の流した涙と優しい心で、その魔法が解けたのです。」 |
「パール姫の優しさと愛の力に私は助けられたのです。 ありがとう。」 その言葉を聞いたパール姫は幸せな気持ちで一杯です。 ところが突然、『キーッ ! キーッ ! 』 と、 けたたましい鳴き声と共にコウモリが窓から飛んで来て、シャンデリアにぶら下がりました。 「パール姫、よくも邪魔したな。」 不気味な声でののしります。 |
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王様はパール姫をかばうと、 「近寄るな ! 今度こそ退治してやるっ ! 」 剣を抜いて構えます。 コウモリがシャンデリアからクルリと一回転すると辺りに煙が立ち昇り、その中から恐ろしいドラゴンが現われました。 「ガオーッ ! こうなったら二人とも食べてやる ! 」 |